看護師が一般企業へ転職するメリットとは?活躍できる仕事や成功させるポイントを解説

医療の現場で働いた経験を持つ看護師は、一般企業からも需要が高く、医療福祉施設以外にも活躍できる場所が多数あります。しかし、一般企業での看護師の働き方は、あまり広く知られていません。

「看護師を辞めて今と違う仕事をしてみたいけれどイメージが湧かない」という人も多いでしょう。

本記事では、看護師が一般企業へ転職するメリットやデメリット、看護師が活躍できる一般企業の仕事、転職の際のポイントをご紹介します。一般企業への転職を視野に入れている人は、参考にしてみてください。

看護師から一般企業へ転職する4つのメリット

看護師は、不規則勤務で生活リズムが崩れやすかったり、命を預かる緊張感を常に感じたりと、ほかの職種と比較しても負担の大きい職業です。その負担の大きさから、一般企業に転職したいと考えている人もいることでしょう。

まずは、看護師が一般企業に転職する4つのメリットについて紹介します。

夜勤など不規則な働き方がなくなる

一般企業に就職すると不規則な働き方がなくなり、生活リズムが整いやすくなります。病院で働く看護師は、夜勤や早番、遅番など変則的な勤務になるため、不規則な生活になってしまいがちです。不規則な勤務体系を続けることで、体に大きな負担がかかります。

一方、一般企業は9時から18時など、勤務時間が固定されているところが大半です。
夜勤をする必要もなく、規則正しい生活リズムで働けます。規則正しい生活を送ることは、健康の維持や心のゆとりにつながります。

繁忙期以外では残業が少ない

一般企業に転職すると、残業が少なくなります。

病院では、予期せぬタイミングで残業が発生することが多くあります。患者の急変対応や緊急入院の受け入れなどが頻繁に起こるためです。

一般企業においても、繁忙期は残業が増える場合もあります。しかし、急な残業は発生しにくく、総じてみれば病院や介護福祉施設で働く看護師に比べると残業が少ない職場が多いといえるでしょう。たとえ残業があったとしても、ある程度時期が予測できれば、プライベートも充実させやすくなります。

身体的な疲労が軽減する

身体的な疲労が軽減することも一般企業への転職のメリットです。

病院での仕事は、変則的な勤務や残業に加えて立ち仕事や力仕事が多く、体力的な負担も大きいものです。患者のケアや処置、検査出しや入院対応に追われ、一息つく時間が少しもないまま、疲れ果てて帰路につくという日もあるのではないでしょうか。

一方、一般企業での仕事はデスクワークが多くなるため、身体的な疲労は減ります。身体的な疲労が軽減すれば、仕事のあとに趣味を楽しんだり、食事へ出かけたりと、プライベートな活動も楽しみやすくなります。

人命を扱う責任感がなくなる

仕事へのプレッシャーの質が変わることも、企業で働くメリットのひとつです。

病院で働く看護師の業務は患者の生命に関わる内容が多く、重い責任がともないます。小さな1つのミスが患者の命を危険に晒すような医療事故に繋がる可能性があるため、看護師は常に緊張感のなかで仕事をしなければなりません。

一方、一般企業では、人の命を左右するほどの事態が起こることは少ないといえます。たとえミスをしたとしても取り返しのつくことが多いため、気持ちの余裕を持ちやすくなるでしょう。

看護師が一般企業へ転職したときの4つのデメリット

看護師が一般企業へ転職することには、メリットばかりではなくデメリットもあります。転職を考えている人は後悔のないよう、デメリットも把握しておきましょう。
よくあるデメリットを4点、紹介します。

給料が下がる

一般企業に転職すると、最初のうちは給料がそれまでより下がる可能性があります。とくに、まったく別の業種で働く場合には、看護師として積んだ経験を活かせないこともあります。新人のように扱われることもあり、そうなれば給料も下がるでしょう。

看護師は国家資格が必要な専門職であり、一般企業より時給が高く設定される傾向にあります。さらに、夜勤手当や待機手当など、基本給に加えて手当がつくため、他職種と比較すると高収入である場合が多くなります。

転職により給料が下がることを考慮しつつ、貯蓄額や生活状況と合わせて転職先を検討しましょう。

新しい知識を身につける必要がある

一般企業の仕事は、病院で働く看護師の仕事内容とは大きく異なるため、新しい知識を身につける必要があります。

今まで病院での医療や介護を長期間経験してきた人は、基本的なビジネスマナーについて触れる機会が少なく、ゼロから身に付けなければならないことも多いでしょう。また、職種により資料作成やプレゼンテーションのスキルが求められる場合もあります。

そういった意味では、新しい環境で活躍できるようになるまでに時間がかかり、苦労も多いといえます。

仕事へのやりがいを感じない

一般企業への転職には、仕事へのやりがいを感じにくくなるデメリットもあります。

看護師の業務は、患者の命や健康を守る責任の重い仕事です。緊張感は大きいものの、その分やりがいや情熱を感じている人も多いでしょう。

一般企業に転職すると、これまでより地味な作業や、事務的な作業が増えます。社会に貢献している実感が薄くなり、やりがいがないと感じてしまう場合もあるようです。

現場復帰が難しくなる

一度一般企業へ転職すると、医療現場への復帰が難しくなることもデメリットです。
一般企業での仕事は看護師の仕事とは大きく異なるため、看護師としての成長にはつながらないことも多いでしょう。

また、別の仕事をすることにより、医療機関で働く看護師としてのブランクが生じます。看護師以外の仕事をする期間が長くなるにつれて、身に付けていた看護技術のスキルが鈍くなるほか、薬や治療法についての知識も更新されなくなります。

そのため、看護師として復帰する場合の場所が限られたり、復職の難易度が高くなる可能性も考えられます。

将来的に看護師の仕事に戻ることを考えている人は、転職を機に、医療現場への復帰が難しくなるデメリットについて理解しておきましょう。

看護師資格を活かして働ける一般企業での主な仕事

一般企業には、看護師資格を活かして働ける仕事もあります。看護師資格や看護師の経験を活かせる職種に就けば、給料が下がりにくい、仕事に慣れやすいなどのメリットが得られます。看護師資格を活かして働ける仕事にはどのようなものがあるか、見ていきましょう。

フィールドナース(クリニカルスペシャリスト)

フィールドナースは、医療機器メーカーや医薬品メーカーなどにおいて、医療機関へ自社製品の販売や説明を行う仕事です。

具体的には、営業スタッフとともに医療機関へ出向き、医師へ製品のプレゼンをしたり、医療スタッフに対し看護師の視点から自社製品に関する説明会を開いたりします。企業により必要なスキルは異なりますが、看護師としての臨床経験を活かしやすい職種です。

また、給与水準が高く、病院で働く看護師よりも高い給料を手に入れられることも魅力のひとつです。
なお、フィールドナースは営業職のため土日に仕事が入ったり、出張が多くなったり、忙しい仕事でもあることを認識しておきましょう。

臨床開発モニター

臨床開発モニター(CRA)は、製薬会社や医薬品開発業務受託機関において、治験がスムーズに進行するように調整する仕事です。

症例データの管理や、治験中の検査のサポート、治験が計画どおりに進行出来ているかどうかを管理することが主な仕事内容です。専門知識を必要とし、年間を通じて忙しい職種ですが、その分収入は高くなります。

同様に治験を扱う仕事として「治験コーディネーター」がありますが、こちらは医療機関において、治験に関わるチーム調整や被験者のサポートを行います。

医療系の人材アドバイザー

医療系の人材アドバイザーは、医師や看護師など、医療系の求人に特化した人材紹介会社において、転職希望者に対してサポートを行う仕事です。

人材アドバイザーは、コーディネーター、エージェントとも呼ばれます。同じ看護師だからこそ求職者の悩みやニーズを理解、把握し、より働きやすい職場を紹介することができるため、これまでの勤務経験を活かしながら活躍しやすい仕事です。

人材アドバイザーは、転職を希望する人と企業や病院、介護福祉施設の採用担当者をつなぐ役割を担うため、対人コミュニケーションスキルやビジネスマナー、プレゼンのスキルなどが求められます。

また、求職者のスケジュールを優先しつつ仕事をするため、残業が増えたり、休日出勤が必要となったりする場合もあります。

医療系コールセンター

医療系コールセンターのオペレーターは、医療機器や医薬品などを扱う企業において、利用者からの問い合わせ対応を行います。業務内容はマニュアル化されている場合が多く、一般企業で働いた経験がなくても挑戦しやすい仕事です。

近年、オンラインでの問い合わせや健康相談など多彩なサービスが採用されることがうまれており、専門知識を持った看護師が活躍できる場が広がっています。

コールセンターでの勤務はシフト制である場合が多く、営業時間の長い企業や24時間対応をしている企業では、夜勤がある場合もあります。

一般企業への転職を成功させる4つのポイント

看護師から一般企業への転職は、病院や介護福祉施設への転職と比較すると難しく感じられる人も多いでしょう。一般企業への転職を成功させるためのコツを、4つのポイントに絞って紹介します。

転職の目標や軸を決定する

まずは、転職の目標や軸を決定することが大切です。転職の目標や軸がブレると応募先を絞りにくくなります。また、目標や軸が曖昧なまま転職活動を進めた場合、転職したのちに希望の働き方と相違していることに気づき、後悔する可能性もあります。

目標や軸が言語化できない人は、まずは職場や働き方への不満を洗い出し、どうして転職をしたいのかを考えることが大切です。

転職の条件に順位をつける

転職の条件に順位をつけることも重要なポイントです。

転職の際には、給料や休日日数など、新たな職場に求める条件を挙げることが重要です。しかし、希望の条件を多く挙げすぎれば、すべてを満たす企業を見つけることが難しくなる場合もあります。

そのため、転職先に求める条件に優先順位をつけ、優先度が高い条件から転職先を絞り込むことをおすすめします。順位の低い条件は妥協することが必要な場合もあることを認識しておきましょう。

一般企業で働きたい理由を明確化する

一般企業に転職する際には、その理由についても明確にしておきましょう。転職の目的によっては、必ずしも一般企業へ転職しなくても解決する場合もあるためです。

なぜ医療機関や介護福祉施設ではなく一般企業で働きたいのか、その理由を明確にすることにより、転職の方向性も定まりやすくなります。

また、企業で働きたい理由については、採用面接でよく質問される内容です。転職の理由を明確に言語化することは、面接対策にも役立ちます。

基本的なパソコンの操作を身につける

転職にあたり、基本的なパソコンの操作を身につけておくこともおすすめします。

一般企業で働く場合、ワードやエクセルなどパソコンのスキルは必須です。パソコンの操作ができる人は、転職のハードルが下がりやすく、新しい仕事にもスムーズに取り組めるでしょう。
転職後に困らないよう、看護師として働いている期間に基本的なパソコンの操作に慣れておきましょう。

「企業看護師」という新しい働き方

「企業看護師」という言葉をご存知でしょうか。看護師が一般企業内の医務室や健康相談室に配置され、社員の健康をサポートする仕事です。
ここでは企業看護師の働き方について解説します。

企業看護師は「企業で働く看護師」

企業看護師は、名前のとおり「企業で働く看護師」であり、「産業看護師」とも呼ばれます。一般企業内の医務室や健康相談室に常駐し、従業員の健康診断、健康管理や生活指導を行うのが主な業務です。
平成27年12月、厚生労働省は従業員50名以上の会社を対象に、従業員のストレスチェックを義務付けました。

このように近年、社会人のメンタル面でのケアが重要視されており、企業看護師の需要も高まっているといえます。

出典:ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省

企業看護師はオフィスで働く会社員と同様に、カレンダーどおりの勤務、週休2日制の仕事です。また、企業の会社員と同様に昇給を見込めるため、年収アップも期待できます。

勤務形態が安定しているうえ、専門知識をもとに従業員の健康を支えるやりがいも感じられるため、魅力的な仕事であるといえるでしょう。

採用数が少ないことがデメリットに

企業看護師の最も大きなデメリットは、採用数が少ないことです。その理由としては、従業員が50名未満の中小企業では企業看護師を配置することが少なく、一部の大企業のみの募集であることが挙げられます。

また、人員配置基準が定められていないため、最低限の1人のみの採用にとどめている場合も少なくありません。一般公開される求人が少ないこともデメリットです。

採用が決まった場合、企業看護師は1人体制で勤務するケースが多くなります。困ったときに相談できる相手が身近にいないことや、責任のある立場を1人で任されることにプレッシャーを感じる場合があることは知っておきましょう。

まとめ

本記事では、看護師が一般企業へ転職するメリット、デメリット、看護師経験を活かして活躍できる仕事や、転職を成功させるポイントを紹介しました。

一般企業への転職はハードルが高く感じられるかもしれませんが、看護師の資格や経験を活かしながら働ける仕事は数多くあります。また、ポイントを押さえることにより、転職が実現しやすくなります。

スマイルナースのサイトでは、転職先に求める条件を複数指定すると、当てはまる職場のみを表示する詳細検索が可能です。

転職の目標や軸を定めたら、早速どんな求人があるのか覗いてみてください。

 

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