【看護師1年目の転職事情とは?転職を考える原因や成功させるコツを解説】

最も辛い時期と振り返る看護師も多い1年目。看護師の仕事はハードであるのに加えて、職場の人間関係や理想と現実とのギャップなどが原因で、1年目で転職を考える人が多くいます。

そこで1年目の看護師が転職を意識する原因や転職するときのポイントについて解説します。看護師1年目で、転職を考えている人は参考にしてみてください。

看護師1年目のおもな年間スケジュール

1年目の看護師は先輩のフォローを受けながら、看護ケアの知識や技術を学び独り立ちを目指します。ここでは、看護師1年目の代表的なスケジュールや実務や研修で学ぶ内容についてみていきましょう。

4月~6月

入職後2週間ほどは、1年目の看護師向けの全体オリエンテーションや院内研修をメインに受けます。4月下旬頃に全体の説明を終えると、いよいよ配属先の診療科や部署での業務が始まります。

病棟勤務であれば、軽症の患者さんを受け持ち、バイタル測定や食事介助など基本的な看護ケアをします。先輩のフォローを受けながら、基礎的な技術を身に付けて、職場に慣れていく時期です。

4~5月頃は基本の業務を覚えるため、平日の日勤業務のみの勤務になります。6月頃になり日勤業務ができるようになると、夜勤業務にも入るようになります。

7~9月

8月頃になり夜勤にも慣れてくると、重症度の高い患者さんも少しずつ受け持つようになります。先輩の見守りがあるとはいえ、病状の重い患者さんに対しては必要な医療処置の内容も増えるので、今までよりも責任が大きくなります。

これまで見たことのない医療処置をみる機会も増えるため、入職当初よりも高い看護技術を身に付けることが求められます。受け持ち患者さんによっては、事前の自己学習が欠かせないこともあるでしょう。

10~12月

夜勤や重症患者の受け持ちができるようになり、独り立ちとなる時期です。とはいえ、すべての業務を完全に1人で行うわけではなく、今までと同じように、先輩看護師に報告や相談をしながら業務をすすめていきます。

1月~3月

配属先にもよりますが、人工呼吸器や気管挿管チューブなど、高度な医療処置を受けている患者を受け持つようになります。体位変換や更衣の着脱はチームでおこなうことが多いものの、異常が起きていないかの判断を自分で担う場面もあるでしょう。

4月からは2年目の看護師となり、1年目の看護師を迎え入れる立場となります。2年目になると完全に独り立ちとなるため、1年目の頃のように、先輩看護師に逐一報告や相談することもなくなります。

1年間の研修や実務内容で学んだことを振り返り、2年目に向けた準備を始めましょう。

1年目の看護師が転職を考える理由

10人に1人が離職するといわれる看護師1年目。1年目の看護師が転職を希望する理由についてみていきます。

人間関係に悩みがある

1年目の看護師は、基本的に先輩看護師と密接に関わりながら働きます。仕事ができないと先輩看護師と良好な関係が築きづらくなるため、大きなストレスを感じることもあるでしょう。

また同期と相性が悪かったり、そもそも配属先に同期がいなかったりすると、仕事の悩みや愚痴を共有しづらくなります。上手くガス抜きができないことで、今の職場を離れたいと思うようになることも少なくありません。

給料と仕事量が合わない

1年目の看護師はまだ効率よく業務をおこなえないため、残業時間が増える傾向にあります。また業務の他に、研修や勉強会へ出席したり、休日も自己学習に充てたりすることも多くなります。

看護師の給与が比較的高いとされるのは夜勤手当によるもので、基本給については他の職業と大差ありません。1年目は夜勤回数やボーナスが少ないため、就業時間が多いのに対して、給料が少ないことに不満を感じやすいでしょう。

自分の技術に自信が無くなる

1年目の看護師は、看護の知識や技術が未熟であるため、先輩看護師から指導や助言を頻繁に受けます。自分のミスにより患者さんに影響が及べば、先輩からの指導が厳しくなることもあるでしょう。

看護学校で学んだことがきちんとできなかったり、新しい技術や知識が身に付かなかったりすると、仕事への自信がなくなってしまうこともよくあります。

理想と現実のギャップが大きい

患者さんの役に立つために看護師になったという人も多くいます。しかし実際の医療現場では、業務に追われて患者さんと十分に向き合えなかったり、余裕がなく対応が雑になり、患者さんとトラブルになったりすることもあります。

入職前に感じていた看護師という仕事への理想と現実のギャップが大きいと、看護師としての適性に疑問を感じやすくなり、職場を離れたいと感じるようになります。

1年目でも転職を考えたほうがよい理由

「看護師1年目で転職なんて……」と考える人もいるかもしれませんが、1年目の転職には以下のようなメリットがあります。

看護師の仕事を続けられる

職場の人間関係など、自分の努力だけでは改善できない悩みを抱えているのなら、転職を検討するのがおすすめです。看護師資格は生涯通用するキャリアなので、一度きりの挫折で看護師の仕事をあきらめてしまうのは非常にもったいないことです。

新しい環境で再出発することで、看護師の仕事を続けられる可能性があります。

新人として研修や教育を再度受けられる

看護師1年目で転職すれば、新しい職場でも新卒と同じ扱いをされることが多くなります。新人として研修や教育をもう一度受けられるでしょう。

不安に感じていた看護ケアについても改めて学ぶことで、技術や知識が身に付きやすくなります。以前よりも、自信を持って日々の業務に取り組めるようになり、仕事にやりがいを感じられるでしょう。

転職先でも質問・相談がしやすい

1年目の看護師は技術も知識も未熟であるため、処置やケアをおこなう上で分からないことも多いものです。1年目に転職すれば、新しい職場でも新人として扱われるので、先輩看護師に質問や相談がしやすいでしょう。

転職先でも先輩看護師のフォローを受けられるので、安心して業務に取り組めます。

採用する病院にもメリットがある

1年目の看護師のスキルは未熟ですが、処置の方法にクセが付いていません。考え方や処置の仕方が偏っていない分、病院側も教育しやすいというメリットがあります。

また、前の職場である程度技術や知識が身に付いているため、ゼロから指導する必要がありません。教育担当の負担が少なく、先輩看護師にも余裕ができれば、良好な人間関係が築きやすいでしょう。

1年目看護師の転職が難しい理由

看護師1年目でも転職するメリットはありますが、転職が成功しづらい理由があります。1年目の転職が上手くいきにくい理由は以下の通りです。

転職先が限られてしまう

看護師は求人が多い職業ですが、1年目の看護師を募集・採用している病院は少ないのが現状です。小規模の病院では、「臨床経験3年以上」といった応募要件が設けられることもあります。

1年目の転職では応募先の候補が限られてしまい、希望の病院で働けない可能性が高いでしょう。

看護師の採用時期が限られている

1年を通して看護師の採用している病院は少ない傾向があります。また求人があっても、即戦力を求めている病院が多いでしょう。

採用時期が限られると、年度の途中で退職しても転職先が見つからず、次年度まで待つことになります。退職後から転職まで時間が空きすぎることで、1年目ならではの転職のメリットが活かせなくなるかもしれません。

すぐに退職すると思われる

看護師1年目で転職すると、新しい職場からは「すぐに退職してしまうかもしれない」と思われる可能性があります。看護業界は人手不足の状態が続いているので、すぐに退職されると業務や他のスタッフに与える影響が大きくなります。

転職先で先輩看護師から「教えても無駄」と思われてしまうと、仕事をきちんと覚えられなかったり、職場の人間関係に影響を与えたりする可能性があります。

同じ悩みを抱える可能性がある

1年目の看護師が転職を考える理由は、業務への自信のなさや人間関係の悪化など、ある程度共通しています。しかし、どの職場の看護師もこういったことに悩んでいるものです。

新しい職場でも同じ悩みを抱えることもあり、せっかく転職してもすぐに退職を考えることになるというリスクがあります。

転職を考えたら転職活動の前にすること

看護師1年目で転職を考えたときには、退職を決める前にすべきことがあります。

上司に相談する

転職をしたいと考えるようになったら、まずは看護師長に業務への不安や人間関係の悩みを打ち明けてみましょう。場合によっては、プリセプターの変更や負担が軽い部署への異動を検討してもらえることがあります。

職場環境やシフトが変われば、悩みが改善されて働きやすくなることもあるでしょう。まずは上司に相談することが大切です。

3年後まで頑張れるか考える

多くの病院では、「臨床経験3年以上」を応募の条件としています。1年目の転職では、応募先の候補も限られてしまいます。悩みを抱えていても、3年後まで頑張れるか考えてみることが重要です。

特に1年目で抱えている悩みは、2年目以降まで続けてみることで解決することもあります。まだ頑張れる余裕があれば、すぐに転職しないほうがよいでしょう。

今の職場の不満・満足していることを書き出す

今の職場への不満は、転職先に求める条件を整理するのに役立ちます。仕事の不満や人間関係の悩みをすべて書き出して把握してみましょう。

今の職場の良い点や満足している点も一緒に書き出すことで、本当に働きたい職場を選びやすくなります。

無理だと感じたら早めに退職する

1年目の看護師の場合、転職よりも現在の職場で働き続けた方が、メリットは大きいものです。退職を申し出ると、看護師長から引き止められるでしょう。しかし、どの職場でも長く働き続けるには、心身が健康であることはいうまでもありません。

上司に相談しても対応してもらえない場合や、生活に支障が出るほど体調が悪い場合は、早期に退職して、時期をみて転職活動をするのがおすすめです。

1年目看護師が転職を成功させるコツ

看護師の1年目で転職を成功させるにはいくつかのポイントがあります。

転職理由を明確化する

転職を意識し始めると、「今の職場以外ならどこでも良い」と考える人もいるかもしれません。1年目の悩みは若手の看護師の大半が抱くものです。転職先をしっかり選ばないと、同じ悩みを抱えることになります。

転職したい理由を明確にしてから転職先を探せば、自分の悩みを解決できる転職先を見つけやすくなるでしょう。

転職先を妥協しない

1年目の看護師が転職活動をしても、応募できる病院は限られています。しかし妥協して転職すると、新しい職場でも希望する条件に合わずに長く働けない結果になります。

次の職場では長く働けるように、自分が譲れない条件を満たす病院を探し続けることが大切です。

応募前に見学をする

病院の求人情報や公式サイトからは、施設の詳しい様子まで把握できません。病院見学に行くと、募集要項では分かりにくい病院の雰囲気や職場環境などを確かめられます。

看護師同士のやり取りや患者さんとの接し方などを実際に見ることで、自分に合う職場なのかも判断しやすくなるでしょう。

転職サイトを活用する

看護師専用の転職サイトでは、条件に合わせた求人情報を数多く閲覧できるため、転職先の候補を見つけやすいという特徴があります。サイトによっては、希望条件に合う転職先を自動で絞り込んでくれるところもあります。

忙しいなかでも効率よく応募先を探すために、転職サイトを利用してみましょう。

まとめ

デメリットが多いイメージのある1年目の看護師の転職ですが、1年目ならではのメリットもあります。職場の悩みの解決が難しかったり、悩みにより体に不調を感じたりするのであれば、退職を検討してみるのもよいかもしれません。

看護師専用の転職エージェント「スマイルナース」では、1年目の看護師でも応募可能な求人を扱っています。1年目の看護師で転職を検討している人は、ご活用ください。

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