看護師になって2年目を迎えると、責任のある仕事を任されるようになり、新人の頃とは違った悩みや不安を抱くようになります。
2年目の看護師の中には、今の職場を辞めたいと考えている人もいるのではないでしょうか。2年目で転職を考えても問題ないのか気になりますよね。
記事では、2年目の看護師を取り巻く状況や転職によるメリットとデメリット、転職を成功させるためのポイントについて解説します。
2年目の看護師である自分の立場が明確になり、転職すべきかどうかを判断しやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
2年目看護師はどのような状況?
看護師になって2年目を迎えると、自分の置かれている立場や任される仕事の内容が大きく変化します。2年目によくみられる状況や特徴は以下です。
独り立ちして責任が生まれる
看護師として2年目になると、新人ではなくなり独り立ちを求められます。1年目の頃は1つひとつの業務に対して、先輩看護師への報告や相談を逐一行い、都度アドバイスをもらえた人も多いのではないでしょうか。
しかしながら、2年目になると先輩看護師のフォローが大きく減ります。チームの一員として、さまざまな業務を自分1人で判断して対応することが多くなります。
新人の頃は、仕事のやり方や判断が間違っていても、先輩看護師から間違いを指摘してもらえますが、2年目になると、一人で考えて行動していくことが増えていきます。
そのため、毎日の仕事の中でミスが増えるようになったり、その責任を求められたりするようになります。
後輩ができる
看護師が2年目になると、職場に新しい看護師が配属されます。2年目の看護師は1年目の新人と立場が近いので、新人看護師にとって声をかけやすい存在です。
これまでの自分が質問をしていた立場から逆転して、後輩看護師の質問に答える立場になります。とはいえ、2年目看護師の知識や技術は、まだまだ十分ではないので、自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
また、これまで自分をフォローしてくれた先輩看護師は、1年目の新人看護師を指導したり見守ったりしなければなりません。2年目になるとより高度な仕事を振られやすくなるため、日々の仕事の負担も増すようになります。
学生時代の友人との差を感じやすい
看護師が2年目になると、学生時代の友人との違いを感じやすくなります。病院や施設によって、どの仕事を新人看護師に任せるかは異なります。そのため、友人と自身が担う仕事内容に違いがあっても、必ずしも自分の能力不足によるものではありません。
一方で、2年目でも、日勤の仕事を覚えるので精一杯だと、まだ夜勤に入っていない人もいるかもしれません。友人は看護師2年目でバリバリと夜勤をこなしているのに、自分は任されていないと、ショックを受けることもあるでしょう。
夜勤手当の有無により給与にも差が出るので、友人との実力差にコンプレックスを抱きやすくなります。
技術や知識はまだ未熟
2年目の看護師は、1年間の仕事を通してさまざまな経験を積んでいますが、先輩看護師と比べるとまだまだ未熟です。新人の頃は、先輩看護師のフォローで仕事をやり抜けられましたが、2年目になると、周りからのサポートが激減します。
先輩看護師の見守りがないことで、仕事のミスが増えると、「自分は看護師に向いていないのではないか」と感じやすくなります。
看護師2年目から転職を始める4つのメリット
看護師として2年目を迎えている人の中には、転職を考えている人もいるでしょう。2年目での看護師の転職は難しいイメージがありますが、2年目だからこその強みもあります。
看護師が2年目で転職するメリットは以下です。
1年の臨床経験が武器になる
2年目の看護師は1年間の実務経験があるため、看護の基本的な知識やスキルを身に付いている場合がほとんどです。臨床経験の看護師よりも、職場の戦力になれる点で評価されやすくなります。
また、看護師以外にも、社会人経験が1年あれば応募できる職種もあり、他分野のキャリアへチャレンジするチャンスも拓けます。
第二新卒として就活できる
2年目の看護師は第二新卒として、新卒と同じ条件で就職活動ができます。第二新卒とは、学校卒業から3年以内に離職した人材のことです。
看護師としての基礎的な知識や技術を持ちながら、新卒と同様に改めて研修などに参加することができます。1年目の看護師よりもリードしつつ、スキル不足を補えるので、新しい職場でも働きやすくなります。
新しい環境への柔軟性が高い
2年目の看護師は、前の職場のやり方や体制に固執していないことが多く、新しい職場にもなじみやすい特徴があります。経験の多い看護師だと、新しい職場に入職しても、これまでとは違う方法や意見に順応できず、対立してしまうことも多いようです。
2年目の人は反発することが少なく、ゼロから指導する必要もないため、病院側の負担軽減につながり、重宝されます。
成長に伸びしろがある
2年目の看護師は、1年間、現場を経験してきたからこそ、仕事の良い面と悪い面を把握しています。看護師の仕事を理想ではなく、現実的に捉えられるようになるため、新しい職場での定着率が高い傾向にあります。
職場が変わっても「看護師として働きたい」という意欲に変わりがなければ、転職後も成長しやすく、伸びしろが多いといえます。
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2年目の看護師の転職にはいくつかのデメリットがあります。転職する際のデメリットは以下です。
すぐに辞めると思われる
看護師の仕事は心身ともハードであることから、新卒の離職率が高い職業のひとつといわれています。そのため、2年目で辞める人は、「再就職してもまたすぐに辞めるのではないか」と懸念されてしまうこともあります。
看護師が2年目で転職するときは、職場ではなく本人に問題があるかもしれないと、ネガティブに捉えられてしまうこともあるでしょう。就職試験の面接では、前職の離職理由について聞かれることも多いため、しっかり説明できるようにしておくことが大切です。
即戦力にならない
2年目の看護師は、基本的な看護業務の流れや技術を知っていても、まだまだ即戦力と評価されにくい傾向があります。なぜなら、病院やクリニックの求人の中途採用では、即戦力となる人を探しているケースが多いからです。
新しい職場に採用されても、仕事のやり方が異なったり、スキル不足から自分の実力が足りないと感じたりすることもあるでしょう。その結果、せっかく転職しても、再就職先で長く働き続けられなくなる可能性があります。
応募できる求人が制限される
2年目の看護師は1年間の実務経験があることで応募できる求人の幅が広がります。一方、急性期の病院やクリニックの求人は「臨床経験3年以上」などの応募条件が限定されていることが多く、限られた求人から転職先を探すことになるでしょう。
自分に合った転職先を見つけるのに苦労したり、時間がかかったりするかもしれません。
奨学金の返済が必要な場合がある
看護学生時代に病院の奨学金制度を利用して、病院に勤務していた場合、退職時に奨学金の返済を求められることがあります。病院によっては一括返済が必要な場合もあるので注意しましょう。
奨学金の貸与が高額になると、必要なお金が用意できず、すぐに離職できない可能性もあります。また、一括返済ができても、失業中の蓄えが尽きて、転職活動の継続が難しくなるでしょう。
2年目看護師が転職をさせる成功の4つのコツ
看護師2年目で転職を成功させるには、いくつかのポイントがあります。2年目看護師の転職のコツは以下です。
自分のスキルを明確化する
2年目の看護師は、看護の基本的なことはできますが、知識や技術はまだまだ十分ではありません。また。働いている職場の方針や自身の習熟度により、個人差が生まれます。
看護師として自分ができることと・できないことをしっかり把握しておきましょう。就職試験の面接では、自分ができることをきちんとアピールすることも大切です。
転職の目標や目的を考える
2年目の看護師の中には、すでに次の転職先を探している人もいるかもしれません。漠然と求人を探していても、働きたいと思える場所を見つけにくいうえ、いざ採用されても長続きしないといったことにつながります。
転職先を見つけるときは、給与や勤務体系だけでなく、自分の看護観や転職の目的や目標を明確にしましょう。転職先のビジョンが明らかになることで、自分に合った転職先が見つかりやすくなります。
応募先の情報を収集する
新しい転職先を見つけるときは、応募先の教育体制や福利厚生など、労働条件以外の情報をしっかり集めましょう。看護師2年目で転職を希望する人は、仕事への自信不足や職場が合わないなどの理由で前職を離職しているためです。
特におすすめなのが、第二新卒の採用に積極的に取り組んでいる病院・クリニックです。看護師の離職にもある程度理解があり、就職後のサポートも手厚いからです。
金銭的な余裕を作っておく
看護師の転職はそれほど難しくありませんが、今の職場を退職後すぐに新しい職場が見つかるとは限りません。万が一、失業期間が長引いても対処できるよう、金銭的な蓄えを作る必要があります。
特に、病院奨学金の制度を利用している場合は、奨学金の返済についても事前に調べておきましょう。失業中に困窮しない状況を作ってから辞めた方が安心です。
転職を考え始めたときに重要な2つのこと
看護師2年目で転職を意識するようになったとき、すぐに行動に移さないように気を付けましょう。転職活動を実行する前に、もう一度以下のことについて考える必要があります。
辞めずに済む方法を探す
病院やクリニックでは看護師不足の施設も多いため、2年目の看護師でも転職は可能です。とはいえ、求人では即戦力となる看護師を求められることが多く、臨床経験が3年以上あることが有利にはたらきます。
看護師2年目で転職を考えるようになっても、可能であれば3年以上働いてから転職をした方が、より良い条件の職場を見つけられます。今の職場で働き続けるのが難しいときは、上司に相談してシフトを配慮してもらったり、心身の負担が少ない部署への異動希望を出したりしてみましょう。
転職を決めてもすぐに辞めない
転職活動を始めてから、新しい職場が決まるまでどのくらい時間がかかるか分かりません。離職後の求職期間が長引くと、生活資金が不足するリスクがあります。
そのため、今の職場で働き続けながら転職活動をして、内定が出てから辞める方が安心です。ただし、強い不安やストレスで、体や心に不調を感じている場合は、大事を取って早めの離職を決めましょう。
まとめ
看護師になって2年目からはほぼ独り立ちとなるため、仕事のミスが続いたり、責任が大きくなったりし、看護師としての自信やモチベーションを失いやすい時期です。看護師の転職はそれほど難しくありませんが、看護師2年目は即戦力にはなりにくく、求人先も限定されてしまいます。
2年目看護師が転職を成功させるには、給料以外にも勤務体系や教育体制を良く調べた上で、応募先を見つけることが重要です。スマイルナースは看護師の求人に特化した転職エージェントで、さまざまな条件から自分の希望に合った応募先を見つけられます。
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