看護師免許の申請方法や必要書類、申請期限について解説

看護師免許の申請方法や必要書類、申請期限について解説

看護師になるには、文部科学省または厚生労働大臣が指定する学校を卒業し、看護師国家試験に合格する必要があります。

この記事では、看護師国家試験に合格した後に行う「看護師免許の申請方法」について、必要書類や申請期限など、細かく解説していきます。看護師免許の取得を視野に入れている人は参考にしてみてください。

看護師になるまでの一連の流れ

看護師になるまでの一連の流れ

まずは看護師になるにあたっての一連の流れを確認してみましょう。

  1. 文部科学省または厚生労働大臣が指定する学校を卒業する
  2. 看護師国家試験に合格する
  3. 看護師免許を取得する
  4. 看護師免許の申請をする

“保健師助産師看護師法(保助看法)”では、看護師になるには「看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない」と定められています。
試験を受けるためには、次のいずれかを卒業する必要があります。

● 4年制の看護大学
● 3年制の看護短期大学
● 3年制または4年制の看護師養成所(看護専門学校など)
● 5年制の一貫看護師養成課程校

これらの学校を卒業し、看護師国家試験に合格することで、看護師免許が取得できるのです。

出典:公益社団法人 日本看護協会「看護職になるには」、厚生労働省「保健師助産師看護師法」

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看護師国家試験合格後に免許申請が必要

看護師国家試験合格後に免許申請が必要

看護師免許申請とは

看護師免許をはじめとする国家資格は、合格した後に免許の申請手続きを行う必要があります。申請内容が受理されると“資格保有者”となり、晴れて看護師として仕事ができるようになります。

看護師国家試験に合格しても、看護師免許の申請手続きをしないと、看護師として働くことはできません。

看護師免許の申請に期限はない

看護師免許の申請に期限はありません。たとえば、看護師国家試験の合格から1年以上経過後に免許申請をしても、看護師免許を取得することができるのです。

ただし試験合格後、免許申請をしていない期間は“無資格者”という扱いになります。この期間に医療行為を含む看護業務をすると、行政処分がくだされるだけでなく、最悪のケースでは逮捕されることもあります。

看護師免許証の発行に関わる期間は、申請時期や申請先の自治体にもよりますが、一般的に3~4ヵ月かかります。看護師国家試験に合格したら、できるだけ早く免許申請を済ませるようにしましょう。

看護師免許の申請の流れ

健康診断の受診

看護師免許の申請には、1ヵ月以内に発行された“健康診断書”が必要です。看護師免許の申請をする前に医療機関を受診し、診断書を発行してもらいましょう。

看護師免許の申請に健康診断書が必要な理由は、保助看法第9条によるもので、「心身の障がいにより看護師の業務を適正に行うことができない場合」「麻薬、大麻またはあへんの中毒者である場合」には看護師免許の申請が受理されず、看護師として働くことができません。

出典:厚生労働省「保健師助産師看護師法」

書類の作成と提出

健康診断を受けたら、免許申請に必要な書類を準備して提出しましょう。
申請に必要な書類は以下の通りです。

● 看護師免許申請書
● 健康診断書
● 住民票の写し

登録済証明書が必要な人は、必要書類と一緒に“登録済証明書用はがき”を提出しましょう。
登録済証明書は看護師免許を申請してから免許証が届くまでの間に、看護師免許証の代わりに使える証明書類です。就職先で提出を求められることもあるため、要不要を確認しておくか、念のため発行しておくとよいでしょう。

出典:
厚生労働省「看護師免許申請書」
厚生労働省「免許申請にかかる留意事項について」
厚生労働省「医師免許等登録確認システム」

保健所窓口での免許証の受け取り

免許の申請後約3~4ヵ月で、保健所から“免許証交付通知はがき”が郵送されます。はがきが届いたら、それを持って保健所窓口に行き、看護師免許証を受け取りましょう。

看護師免許証の受け取りには通知はがきのほか、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)、印鑑(シャチハタ不可)が必要です。また、賞状入れや丸筒など、免許証を入れるものがあると便利です。

出典:厚生労働省「看護師免許申請書」

看護師免許申請の必要書類一覧

ここからは、看護師免許の申請に必要な書類について、細かく説明していきます。

看護師免許申請書保健所や各学校のほか、厚生労働省の資格申請案内ページでも取得できます。収入印紙欄に9,000円分の収入印紙を添付しましょう。収入印紙は郵便局や法務局で購入できます。
健康診断書健康診断結果を、所定の診断書に記入してもらい、それを提出します。発行日から1か月以内のものである必要があります。
住民票の写し(または戸籍抄本・戸籍謄本)本籍(外国籍の人は国籍)が記載されているもの(個人番号の記載はNG)と定められています。コピーは不可で、発行から6か月以内のものが対象です。

出典:厚生労働省「看護師免許申請書」、厚生労働省「免許申請にかかる留意事項について」

免許発行前に働くには登録済み証明書が必要

免許発行前に働くには登録済み証明書が必要

看護師免許の申請を行ってから看護師免許証が発行されるまでには、おおむね3~4ヵ月かかります。それまでの間に看護師として働くには“登録済証明書”が必要です。登録済証明書は厚生労働省が発行する書類で、看護師免許証の代わりに使えます。

就職先によっては就業前に提出を求められることがあるので、必要かどうか事前に確認しておきましょう。
看護師免許の申請後に登録済証明書の発行手続きをしても、対応してもらえないこともあります。使用するかわからなくても、念のため申請時に発行しておくと安心です。

出典:厚生労働省「看護師免許申請書」

はがきを使用した申請方法

登録済証明書をはがきで申請する場合は、所定の“登録済証明書用はがき”を使用します。はがきで申請する際には、以下の点に注意しましょう。

● 保健所で登録済証明書用はがきをもらう
● 表面の住所欄には、はがきを受け取る住所を記載する(住民票の住所でなくても可)
● 裏面は氏名欄のみ記入する
● 85円分の切手を貼付する(切手代は2025年4月時点)
● 健康診断書の裏面にクリップで留めて提出する

急ぎの場合は、速達ではがきを返送してもらうこともできます。通常の切手に速達料金分の切手(300円)を貼付し、はがきに「速達」と朱書きして提出しましょう。

出典:厚生労働省「看護師免許申請書」

オンラインでの申請方法

2022年よりオンライン申請がスタートし、インターネット上からも申請ができるようになりました。オンライン申請の手順は、以下を参考にしてみてください。

  1. 厚生労働省の「医師等免許登録確認システム」にアクセスする
  2. 該当する申請メニューを選択
    ※免許取得時は、「新規申請時の登録済証明書を希望する方はこちら」を選択
  3. 仮登録を行い、仮登録完了メールを受信
  4. 仮登録完了メールに記載された仮パスワードを入力し、本登録を実施
    ※仮パスワードの有効時間は仮登録完了メールの受信から30分間
  5. 本登録完了メールを受信
  6. 本登録完了メールに記載されているIDとパスワードを使用し、指定のURLからログイン・登録済証明書を発行

なお、本登録完了メールを受信するまでには1~2ヵ月の審査期間を要します。厚生労働省が申請書を受付し、書類不備や欠格事由の該当有無などの審査を行うためです。

年度当初など新規免許申請の繁忙期には2ヵ月程度かかることもあります。万が一本登録完了メールが届かない場合は、申請内容に不備があるかもしれません。申請ページの“お問い合わせフォーム”から問い合わせてみましょう。

出典:厚生労働省「保健師・助産師・看護師の皆様へ」

本籍や氏名変更時は免許の更新申請が必須

結婚・離婚などで氏名や本籍地が変わった際には、看護師免許の更新申請が必須になります。免許証には正確な個人情報を登録する必要があるためです。

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再交付手続き・登録抹消手続きとは

看護師免許再交付手続きとは

看護師免許証を紛失・破損した場合は、看護師免許証の再交付手続きを行うことで、新しい看護師免許証を取得することができます。手続きは保健所で行うことができ、3ステップで完了します。

  1. 保健所に必要書類を持参する
  2. 申請書類を記入する
  3. 手続きを行う

汚れ・破れなども再交付の対象で、再交付手続きの期間や期限は設けられていません。
看護師として就職・転職を行う際には、勤務先に看護師免許証のコピーを提出する必要があります。看護師免許証を紛失したり、激しく損傷していたりすると、氏名や免許番号などが確認できません。紛失・汚損した際には、再交付の手続きをしておきましょう。

もし再交付後に紛失していた看護師免許証が見つかった場合は、5日以内に保健所に返却する必要があります。看護師免許証には個人情報が含まれるため、自身では破棄しないようにしましょう。

出典:厚生労働省「保健師免許証、助産師免許証、看護師免許証の再交付申請手続について」

看護師免許登録抹消手続きとは

看護師免許登録抹消手続きとは、看護師免許を持つ本人が、死亡または失踪宣告を受けた場合に行うものです。「もう看護師として働くことはないだろうから」といった理由で手続きするものではありません。

手続きの申請期限は、看護師免許を持つ看護師が死亡または失踪宣告を受けた翌日から30日以内です。看護師免許登録抹消手続きを行う際は、保健所の窓口で配布されている“籍(名簿)登録抹消(削除)申請書”に記入します。この書類は厚生労働省のホームページからダウンロードすることもできます。
書類が準備できたら、住所地を管轄する保健所(一部県においては県庁)へと以下を持参します。

● 看護師免許証…保有している免許証を添付(原則コピーは不可)
● 戸籍抄(謄)本、 死亡診断書(死体検案書)、 または失踪宣告書のいずれか…発行日から6ヵ月以内のもの。死亡診断書・死体検案書は写し可・戸籍抄(謄)本や失踪宣告書は原本のみ

また、申請期間を過ぎてしまっても申請は可能です。遅延の理由を説明する書類として、“籍(名簿)登録抹消(削除)申請書”の裏面にある記載欄に理由を記入します。

出典:厚生労働省「保健師、助産師、看護師の死亡、失踪宣告による保健師籍登録、助産師籍登録、看護師籍登録の抹消申請手続について」

看護師免許申請とあわせ、業務従事者届の提出が必須

看護師免許申請とあわせ、業務従事者届の提出が必須

看護師免許の申請を一度行えば生涯にわたり、資格は有効です。看護師免許の定期更新はないものの、看護業務に従事している場合、2年に一度“業務従事者届”を提出する必要があります。

これは国が看護師の就業者数を正確に把握するためのもので、保健看法によって定められています。提出先は勤務地を管轄する保健所です。看護師を多く雇用している医療機関や介護福祉施設では、労務部門が全員分、まとめて申請している場合もあります。個人で行う場合は紙もしくはオンラインで申請可能です。

業務従事者届の提出期限は基本的に、翌年1月15日です。もしも提出を忘れたり遅れたりすると、50万円以下の罰金を科されます。期限までに必ず提出しましょう。

出典:厚生労働省「医療従事者による2年に一度の届出(三師届・業務従事者届)について」

まとめ

運転免許証は試験を受け、合格したその場で交付されます。看護師免許にも同様のイメージを持っていた人もいるかもしれません。看護師免許証は取得のために申請手続きが必要であることと、必要書類があること。看護師免許の取得を目指している人は、頭に入れておきましょう。

また、看護師免許の定期更新はないものの、定期的に“業務従事者届”を提出する必要があることも忘れてはいけない点。看護師免許証は医療従事者であることを証明する大切な書類です。紛失や汚損にも気をつけて扱いましょう。

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