看護師の転職面接時の長所・短所の伝え方とは?印象が良くなるポイントを解説

看護師の転職では、面接時に長所・短所を聞かれることは多いものです。また、履歴書に記載することもあるでしょう。

人間誰しも短所はあるものの、そのまま伝えると面接官の評価が悪くなるのでは?と心配している人は多いのではないでしょうか。また、長所の効果的なアピールの方法を知りたい人も少なくないでしょう。

この記事では、看護師の転職活動において、自分の長所・短所を印象よく伝えるポイント、短所をポジティブに言い換える方法を具体的な例文とともに解説します。面接でプラスの印象を持ってもらい、転職活動を成功させたい人はぜひ参考にしてください。

長所と短所を印象良くよく伝えるポイント

転職中の看護師が面接時に長所と短所を聞かれた際、印象よく伝えるポイントは以下の3つです。

● 簡潔な内容で結論から順に答える
● 具体的なエピソードを1つ加える
● 職場に貢献できる内容にする

それぞれ解説します。

簡潔な内容で結論から順に答える

面接では、簡潔な内容で結論から順に伝えるようにしましょう。最初に長所や短所といった結論を伝えることで、相手にその後に続く内容が理解されやすくなります。

とはいえ「自分の長所(短所)は〇〇です」と結論だけを伝えるのでは、面接官に好印象を与えられません。その理由を具体的に伝え、転職後は長所を活かしてどうなりたいのか、どういった目標を達成したいのか、などを伝えましょう。

回答が長くなると面接官が理解しにくくなるため、簡潔に伝えることが重要です。

具体的なエピソードを1つ加える

看護師の面接で長所・短所を伝える時に、具体的なエピソードを加えると相手に好印象を持ってもらいやすくなります。とはいえ、エピソードが多すぎると伝えたいことがぼやけてしまうため、1つだけに絞ることが重要です。

例えば、看護学生時代の受け持ち患者とのエピソードや、これまで働いてきた中で出会った患者・家族とのやりとりなどを踏まえて話すと相手がイメージしやすくなります。看護師としての経験が浅く、思いつかない場合は、学生時代のクラブ活動やアルバイト経験などを振り返ってみるのもおすすめです。

職場に貢献できる回答にする

いくら優れた長所をアピールしても、転職した先で仕事に活かせなければ説得力がありません。

長所や短所をどのように活かし、志望先の職場でどう役立てられるのかを伝えるようにしましょう。自分が入職することで、病院側はどのようなメリットが得られるのか相手にイメージしてもらいやすくするには、仕事内容に絡めて伝えるのが効果的です。

短所のポジティブな言い換え方

自分では短所だと思っていることも、言い換え方によってはポジティブに捉えられます。そうすれば長所としてアピールできるでしょう。

ここでは、以下の3つの短所をポジティブに言い換える方法を紹介します。

● マイペース
● 慎重
● せっかち

それぞれ見ていきましょう。

マイペース

マイペースをポジティブに言い換えると、以下のようになります。

● じっくり時間をかけて業務をこなせる
● 落ち着いて行動できる
● 自分なりの意見や考えを持っている

「私の短所はマイペースなところです。急変時など、やや機敏さには欠けますが、周囲の状況を冷静に観察し、落ち着いて行動できるという側面もあり、短所であると同時に長所でもあると思っています。」

上記のような表現にすると、自分では短所だと感じる「マイペースさ」が、面接官にはプラスの印象にうつるでしょう。

慎重

慎重さをポジティブに言い換えると、以下のようになります。

● 物事に丁寧に取り組む
● 深く考えて判断する
● 危機管理能力がある

「私の短所は、慎重になりすぎるところです。しかし、慎重さは短所である一方で、これから起こりうるリスクを防ぐ危機管理能力にもつながります。特に高齢の患者さまが多い医療現場では、転倒・転落の事故を未然に防ぐにはどうしたらよ良いかなど、先回りして考える力があると思っています。」

上記のように慎重さは「思慮深さ」という、プラスの言葉で言い換えられます。

せっかち

せっかちをポジティブに言い換えると、以下のようになります。

● 行動力がある
● テキパキ仕事をこなす
● 効率的な時間管理ができる

「私にはせっかちな面があります。仕事においてはスピードだけではなく、ミスにつながらないよう正確さも意識しています。その一方で、看護師の仕事はチームで行うため、効率的な時間管理が必要です。ムダな作業をしていないか、業務改善できる点はないか、常に考えながら仕事をしています。」

上記のように伝えると、せっかちさだけでなく、協調性や業務効率化に貢献できると印象づけられるでしょう。

面接官に長所を伝えるための例文

看護師が面接官に長所を伝えるための例文として、以下の3つを紹介します。

● 真面目な性格
● ポジティブな性格
● 向上心がある

それぞれ見ていきましょう。

真面目な性格

まずは「私の長所は真面目なところです」の後に続く内容を、具体的に掘り下げる必要があります。どんな点において真面目なのか、以下のように自分の性質をあげてみましょう。

● コツコツ取り組める
● 努力できる
● 最後までやり通す
● 責任感がある
● ルールを守れる など

以下は「真面目な性格」を面接官に効果的に伝えるための例文です。

私の長所は、真面目なところです。決められたルールを守り、与えられた仕事を最後までやり通さなければ気が済まない性格です。仕事では、担当する患者さんの点滴や薬の種類、投与時間などに間違いはないかしっかり確認してきました。これまで大きなミスなく働いてこれたのも、この真面目な性格があったからだと思います。
今後も真面目さを活かし、患者さんに安心感を持ってもらえるような質の高い看護を提供していきたいと考えております。

ポジティブな性格

「ポジティブな性格」は、前向き・元気のよさ・行動力といったイメージがある反面、「注意や反省が足りない」「熱中しすぎて周りが見えなくなる」といった印象を持たれる可能性があるため注意が必要です。

以下は「ポジティブな性格」を面接官に効果的に伝えるための例文です。

私の長所は、どんな時でもポジティブに捉えられるところです。前の職場では、知識や経験もないICU(集中治療室)に配属されました。働き始めた頃は、難しい疾患の病態や点滴、薬の種類、医療機器の操作方法など、知らないことばかりで呆然としましたが、自分自身の成長のためだとポジティブに捉えて取り組んだことで、チームリーダーを任せられるようになりました。リーダーとして働く中で、自分はポジティブに捉えられてもチームメンバーの中にはつらく感じる人もいる、ということを学び、周囲への配慮もできるようになったと感じています。新たな職場でもこのポジティブさを活かし、成長していきたいと考えております。

向上心がある

「向上心がある」場合、過去の経験の中で、どのような取り組みをして成長したのか、学んだのかをアピールするとよ良いでしょう。

以下は「向上心がある」場合の例文です。

私の長所は、向上心があり、常にチャレンジする姿勢を忘れないところです。前職では、個人病院の内科病棟で働いていました。勤務している中で、急性心筋梗塞の発作を起こしたり、脳梗塞で意識レベルが低下したりする患者さんと接する機会が多く、高度医療を提供する総合病院で専門的な知識や技術を身につけたいと考えるようになりました。特に学びを深めたいのは、命に直結する循環器内科です。将来的に、循環器領域の認定看護師を目指し、質の高い看護の提供や、スタッフ育成に貢献したいと考えております。

面接官に短所を伝える例文

看護師が面接官に短所を伝えるための例文として、以下の3つを紹介します。

● 頑固な性格
● 優柔不断
● 神経質

それぞれ見ていきましょう。

頑固な性格

「頑固な性格」は、ポジティブに言い換えると以下のように表現できます。

● 周りに左右されない
● 信念がある
● 1本筋が通っている

以下は「頑固な性格」の例文です。

私は、頑固な性格だと思っています。簡単に自分の意見を曲げることが少ないのですが、その中心には「患者さんにとって安心・安全な看護を提供するため」という信念があります。とはいえ、看護師の仕事は、チームで協力しなければならない場面も多い仕事です。そのため、独りよがりにならないよう注意を払っています。貴院でも、周囲のスタッフと協力しつつ、責任感を持って患者さんに質の高い看護を提供していきたいと考えております。

優柔不断

「優柔不断」は、ポジティブに言い換えると以下のように表現できます。

● 柔軟性がある
● さまざまな可能性をもつ
● 多方面から物事を考えられる

以下は「優柔不断」の例文です。

私は、優柔不断な一面があります。決断力がないととらえられがち捉えられがちですが、柔軟性があることで、ほか他のスタッフと良好な関係を築けているとも思っています。医療現場にはさまざまなスタッフが働いており、全員が自分の意見を譲らなかったり意思を意志を貫こうとしたりすると、職場の人間関係がうまくいかなくなります。これまで働いてきた職場では、状況に応じて柔軟な対応をし、良好な人間関係を築いてきました。貴院でも、多方面から物事を捉え、柔軟に対応したいと考えております。

神経質

「神経質」は、ポジティブに言い換えると以下のように表現できます。

● 注意深い
● 気配りができる
● 几帳面さや丁寧さがある

以下は「神経質」の例文です。

私は、神経質な面があります。清潔が保たれていなかったり整理整頓されていなかったりすると落ち着きません。ただ同時に、患者さんの清潔ケアや感染症対策には必要な一面であり、強みでもあると思っています。仕事では、神経質なところを活かし、将来的に感染症に特化した認定看護師を目指したいと考えております。

長所・短所の質問で答えないほうが良いこと

看護師が面接の際、長所・短所の質問で答えないほうが良いことは以下の3つです。

● 「特にありません」など質問の回答になっていないもの
● 業務にかかわりのない長所
● 看護師業務にマイナスな短所

それぞれ詳しく解説します。

「特にありません」など質問の回答になっていないもの

面接官からの質問に対し「特にありません」など、回答になっていないものは避けましょう。

自分の長所と短所を把握できれば、客観的に自分のことを分析できる能力を有している、と判断されます。そのため「特にありません」と答えることで「きちんと考えていない」「客観的に物事を捉える能力が不足しているのでは」と捉えられてしまいます。

面接では、必ず回答を用意しておきましょう。

業務にかかわりのない長所

面接では、長所や補完するエピソードの内容が優れたものでも、業務にかかわりのない内容では評価されない可能性があります。

必ず業務とかかわりのある長所を伝えたり、短所をポジティブに言い換えたりし、あなたを採用するメリットを伝えることが大切です。

例えば「楽器が弾けます」と伝えても、面接官は「どうしても自院で働いて欲しい」とは思えないでしょう。「貴院では年に数回、音楽会を開催されていると伺いました。その際は、自分もスタッフの一員として、患者さんに音楽を楽しんでもらえたらと思います」など、長所を活かした伝え方を工夫しましょう。

看護師業務にマイナスな短所

短所は言い換えることでプラスにもとらえられますが「責任感が弱い」「時間にルーズ」など、看護師業務にマイナスな短所は言わないようにしましょう。

直接的な表現でなくても、あまりにもマイナスな短所では、面接官の印象が悪くなってしまいます。
例えば「時間にルーズ」ではなく「患者さんとのコミュニケーションを大切にしたいと思い、時間をかけてしまう」など、長所ともとらえられるような表現に変えてみましょう。

まとめ

今回は、看護師の転職活動において、自分の長所・短所を印象よく伝えるポイント、短所をポジティブに言い換える方法を解説しました。

自分では短所だと思っていることでも、言い換えによってプラスの印象を持ってもらいやすくなります。どうしても言い換えが思い浮かばない場合は、友人や同僚などに聞いてみるのも1つの方法です。

今回お伝えした例文は、あくまで参考です。面接でプラスの印象を持ってもらい、転職活動を成功させたい人は参考にしつつ、自分なりの長所・短所を伝える文章を作成してみてください。

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