「看護師の平均年収はいくら?」
「収入を上げる方法が知りたい」
看護師は、「他の職種に比べて年収が高い」「稼げる仕事だ」とよくいわれます。
しかし、実際には夜勤や残業手当が付くためで、一概に年収が高いといえるのだろうかと疑問に感じる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、看護師の年収をさまざまな観点から分析・比較しました。
年収を上げる方法についても解説しています。収入アップを目指したい人は、参考にしてみてください。
看護師の平均年収は【508万円】
厚生労働省により発表されている「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は「約508万円」です。
この金額には、基本給だけではなく、夜勤手当やオンコールの待機手当・通勤手当などの各種手当や、1年間で支給されるボーナスの額なども含まれています。ここから社会保険の料金や所得税などが引かれるため、実際の手取り金額は平均年収の508万円よりも低くなります。
一般的に、手取りは額面のおよそ75~85%です。つまり、看護師の手取り年収は380〜405万円ほどになるといえます。ここからボーナスを除くと、月の手取りは25万円〜28万円程度です。また、ひとくちに看護師の給料といっても、勤務先の規模や任される仕事の内容、夜勤の有無、年齢・経験年数により異なります。
ここでは、看護師が勤務する職場の規模、看護師としての経歴や地域ごとの収入の傾向を見ていきましょう。
看護師の給料・年収の内訳
看護師の給料の内訳の主なものは、以下の4項目です。
● 基本給
● 夜勤手当
● 残業代
● ボーナス
これ以外にも通勤手当やオンコールの待機手当、住居手当、家族手当など、勤務シフトやライフステージにともなう手当がつくこともあります。
まずは看護師の給料・年収の主な内訳である4項目について紹介します。
基本給
基本給とは、手当を含まない給与のベースとなる賃金のことです。残業代やボーナスの計算の際にもこの基本給がもととなるため、年収全体を左右する重要な値であるといえます。
日本看護協会が発表した「2023年病院看護実態調査報告書」によると、新卒の看護師の平均基本給は以下のとおりです。
高卒・3 年課程卒 | 204,950 円 |
大卒 | 210,963 円 |
出典:日本看護協会「2023 年 病院看護実態調査 報告書」
また、勤続10年、一般職の基本給の平均は247,629 円です。これを踏まえると、勤務年数を重ねるごとに徐々に基本給がアップしていることがわかります。
夜勤手当
看護師の給料の増減には、夜勤手当が大きな影響を与えます。日本看護協会の発表する「2023 年 病院看護実態調査 報告書」より、夜勤の月平均回数と1回あたりの手当額の平均をまとめました。
勤務形態 | 2交代 | 3交代 | |
準夜勤 | 深夜勤 | ||
1夜勤あたりの平均手当額 | 11,368円 | 4,234円 | 5,199円 |
月の平均回数 | 4.9回 | 7.5回 | |
平均手当額×回数 | 55,703円 | 35,373円 |
出典:日本看護協会「2023 年 病院看護実態調査 報告書」
※3交代の平均夜勤回数(7.5回)は準夜勤と深夜勤で均等に計算
上記より、毎月の給料のうち、平均で3.5〜5.5万円は夜勤手当が占めていることがわかります。看護師は比較的給与の高い職種であると言われますが、負担の大きい夜勤をこなすことで高収入を得られているという現状がうかがえます。
残業代
残業代についても見ていきましょう。日本医労連・全大教・自治労連が発表している「2022 年看護職員の労働実態調査」によると、日勤の場合、終業後の時間外労働は1日あたり46.3分、2交代夜勤後の残業は1日あたり29.3分です。これを元に計算すると月の平均の残業時間は10時間程度です。また、日本看護協会が発表した「2008年 看護職の労働時間管理に関する緊急調査」の結果では、看護師の月の平均残業時間は 23.4 時間でした。
同調査では、時間外労働勤務時間のうち、手当てが支払われた時間は 7.9 時間で、基本給をもとに残業代を計算すると、およそ月に1.2万円前後、年間では15万円ほど支払われていることになります。
参考:日本医労連・全大教・自治労連「2022 年看護職員の労働実態調査」
日本看護協会「2008年 看護職の労働時間管理に関する緊急調査」
ボーナス
看護師の年間のボーナス額は平均86万2100円です。ただし、入職してすぐの夏のボーナスは、支給されなかったり5万円〜10万円と少なかったりする職場が多いものです。ボーナスは一定期間の実績に対する評価として支給されるものだからです。同じ職場で働き続ければ、ボーナスも徐々に増えていきます。ただし、ボーナスは個人の成果だけでなく、就業先の経営状態により変動するため、必ずしも増え続けるわけではないことに注意しましょう。
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに、看護師の年間ボーナスの額をまとめました。
年代 | 年間ボーナス額 |
20~24歳 | 46.2万円 |
25~29歳 | 76.7万円 |
30~34歳 | 78.3万円 |
35~39歳 | 90.6万円 |
40~44歳 | 96.5万円 |
45~49歳 | 103.6万円 |
50~54歳 | 105.8万円 |
55~59歳 | 109.0万円 |
60~64歳 | 70.3万円 |
65~69歳 | 44.5万円 |
70歳~ | 27.3万円 |
項目別に看護師の平均年収を比較
看護師の年収は、それぞれのキャリアや職場、所在地などの環境により大きく変動します。
● 年代
● 職場の規模
● 職場の種類
● 役職
● 都道府県
それぞれの項目別に平均年収を比較してみましょう。
【年代別】
まずは、年代別の給料相場です。
以下の表は、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとにした、年齢ごとの平均年収です。
年代 | 平均年収 |
20~24歳 | 400.3万円 |
25~29歳 | 477万円 |
30~34歳 | 478.9万円 |
35~39歳 | 505.8万円 |
40~44歳 | 539.7万円 |
45~49歳 | 565.4万円 |
50~54歳 | 566.4万円 |
55~59歳 | 578.5万円 |
60~64歳 | 483.1万円 |
65~69歳 | 393.9万円 |
70歳~ | 395.5万円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成(1,000円未満四捨五入)
表より、年齢を重ねるごとに徐々に年収がアップしていることがわかります。20代後半から30代前半にかけて年収の増加額が少ないのは、結婚や子育てなど、ライフスタイルの変化により働き方に制限が出やすい時期であることが関係しているといえるでしょう。年収のピークは55~59歳で、平均578万5,000円です。
【規模別】
次に、職場の規模別に年収を比較してみましょう。
職場の規模 | 平均年齢 | 平均年収 |
1,000人以上 | 36.7歳 | 556万円 |
100~999人 | 41.9歳 | 485万3,000円 |
10~99人 | 47.2歳 | 460万4,000円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成(1,000円未満四捨五入)
表を参考にすると、一般的な企業と同様に、職場の規模が大きいほど年収が高く、平均年齢が若くなることがわかります。規模が大きい病院は、研修や勉強会、委員会活動などが多く、その分残業が増える傾向にあるといえるでしょう。
また、規模が小さくなるごとに平均年齢が高くなる傾向にあります。新卒時に大学病院や大きな総合病院に就職し、経験を積んだのちに結婚や出産など、ライフステージの変化に応じて就職先を変える女性が多いこともその理由のひとつだと考えられます。
【職場別】
続いて、職場別の年収の傾向について比較してみましょう。看護師は勤務する職場により、平均年収に大きく差が出てきます。
● 病院
● クリニック
● 介護福祉施設
● 保育園
今回は、上記4箇所の職場について紹介します。
病院
大学病院の平均年収は約490万円、大型総合病院の平均年収は約470万円です。病院は、規模が大きくなればなるほど年収が高くなる傾向にあります。研修や委員会活動、勉強会などが頻繁に開かれるためだと考えられます。勉強会や委員会活動が終わってから残務処理をする必要があり、残業が増えることで、給料も高くなる傾向にあるといえるでしょう。
クリニック
クリニックの平均年収は、約390万円です。クリニックは外来診療のみ行っているところが多数を占めます。入院設備がない場合には、夜勤もないため年収は病院と比べて低くなります。夜勤手当がつかない分、収入は下がるものの、ワークライフバランスを保ちながら看護師の仕事を続けられることはクリニック勤務ならではのメリットです。
また、保険適用外の医療を提供する美容クリニックでは、一般的なクリニックと比較して年収が高くなります。
介護福祉施設
介護福祉施設で働く看護師の年収は平均約375万円と、病院やクリニックよりも少なくなります。デイサービスや有料老人ホームなど、健康管理がメインとなる職場は給与が低くなりがちです。
なお、超高齢社会の昨今では、医療ニーズの高い人を積極的に受け入れるホスピス型のホームも増えてきています。医療的ケアが多い場合や夜勤・オンコールがある場合には、年収は比較的高くなります。
保育園
保育園で働く看護師の年収は、就職先が私立か公立かによって異なりますが、常勤の保育園看護師の平均年収は以下のとおりです。
公立 | 476.3万円 |
私立 | 408.2万円 |
(1,000円以下四捨五入)
保育園で働く看護師の年収は病院で働く場合と比較すると低い傾向にあります。しかし、保育園は日勤のみの勤務形態で、基本土日祝が休みのところが多いため、生活リズムを安定させやすい仕事であるといえます。医療行為も原則ありません。子どもが好きな人や家事や育児・プライベートと両立しながら働きたい人に、人気の職場のひとつです。
【役職別】
役職別にも平均年収を比較してみましょう。
看護師の役職 | 平均年収 |
看護部長 | 約930万円 |
看護副部長 | 約800万円 |
看護師長 | 約740万円 |
看護副師長 | 約620万円 |
上記のような管理職へとキャリアアップできれば、年収は大幅に上がります。年代別の平均最大年収と比較しても年収はかなり高くなるといえるでしょう。
昇進は簡単に叶うものではありません。しかし、今の職場に長く勤めたり、専門資格を取得したりと、前向きに取り組み続けることで目指せます。キャリアアップによる昇給を目指したい人は、昇進ポストの多い職場への転職を検討してみてもよいでしょう。
【都道府県別】
地域によっても年収に差があります。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに、年収の順位とともに紹介します。
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
1位 | 東京都 | 564万円 |
2位 | 奈良県 | 546万円 |
3位 | 埼玉県 | 541万円 |
4位 | 兵庫県 | 541万円 |
5位 | 富山県 | 535万円 |
6位 | 岐阜県 | 532万円 |
7位 | 大阪府 | 530万円 |
8位 | 和歌山県 | 530万円 |
9位 | 新潟県 | 530万円 |
10位 | 神奈川県 | 528万円 |
11位 | 静岡県 | 523万円 |
12位 | 愛知県 | 521万円 |
13位 | 滋賀県 | 518万円 |
14位 | 京都府 | 516万円 |
15位 | 千葉県 | 514万円 |
16位 | 山口県 | 513万円 |
17位 | 福井県 | 512万円 |
18位 | 北海道 | 504万円 |
19位 | 宮城県 | 504万円 |
20位 | 茨城県 | 502万円 |
21位 | 山梨県 | 498万円 |
22位 | 福岡県 | 498万円 |
23位 | 長野県 | 497万円 |
24位 | 香川県 | 497万円 |
25位 | 徳島県 | 495万円 |
26位 | 広島県 | 491万円 |
27位 | 三重県 | 490万円 |
28位 | 福島県 | 489万円 |
29位 | 秋田県 | 487万円 |
30位 | 群馬県 | 485万円 |
31位 | 佐賀県 | 484万円 |
32位 | 島根県 | 483万円 |
33位 | 岡山県 | 482万円 |
34位 | 長崎県 | 481万円 |
35位 | 岩手県 | 479万円 |
36位 | 沖縄県 | 478万円 |
37位 | 石川県 | 476万円 |
38位 | 山形県 | 473万円 |
39位 | 高知県 | 458万円 |
40位 | 鳥取県 | 451万円 |
41位 | 栃木県 | 450万円 |
42位 | 青森県 | 449万円 |
43位 | 熊本県 | 444万円 |
44位 | 愛媛県 | 438万円 |
45位 | 大分県 | 433万円 |
46位 | 宮崎県 | 427万円 |
47位 | 鹿児島県 | 396万円 |
表を参照すると、1位の東京都は564万円であるのに対し、最下位の鹿児島県は396万円と、200万円の差が出ています。地域の違いによる年収の差は大きいものであるといえるでしょう。首都圏や都市部の年収は平均より高く、地方は低い傾向にあります。
なお、都道府県ごとの年収は年度により順位が大きく変動するため、あくまでも参考程度にしてください。
看護師の初任給と新卒1年目の平均年収
ここからは、看護師の初任給と新卒1年目の平均年収についてみていきましょう。
日本看護協会が発表した「2023年病院看護実態調査報告書」によると、新卒看護師の初任給は以下のとおりです。なお年収は、平均給与総額に20~24歳のボーナスの平均年額を足して算出しています。
平均給与総額(手当込み) | 平均年収 | |
高卒+3年課程 | 26.7万円 | 366.6万円 |
大卒 | 27.4万円 | 375万円 |
日本看護協会「2023年病院看護実態調査報告書」をもとに作成(1,000円未満四捨五入)
表を見ると、「高卒+3年課程」と「大卒」の看護師の平均年収の差は約10万円、月ごとの平均給与総額の差は約7,000円です。そこまで大きな額ではないといえます。
なお、社会保険料や所得税などが引かれるため、月々の手取り額は平均で20万円〜23万円程度となります。新卒の年収は勤務先の規模や施設形態、職場のある地域によっても大きく異なります。
新卒1年目看護師のボーナス
ボーナスとは、月々の給与とは別に支給される給与のことです。支給方法や基準には大きな決まりはなく、組織により支給される金額や時期は異なります。夏季と冬季の年2回ボーナスが出る職場が一般的です。
新卒1年目、つまり入職してすぐに受け取る夏のボーナスは、平均で5〜10万円程度です。ボーナス自体支給されない場合もあります。いずれにしても入職して間もなく勤務実績もほとんどないため、まとまった額の支給は期待できません。
1年目の冬のボーナスの支給額は30万円程度であることが多く、年間で考えるとボーナス総額は30万円〜40万円程度と予想できます。
看護関連資格の平均年収
保健師・助産師をはじめとする看護関連資格の平均年収についても見ていきましょう。
職種 | 平均年収 |
保健師 | 481.3万円 |
助産師 | 584.2万円 |
看護師 | 508.1万円 |
准看護師 | 417.9万円 |
看護助手 | 308.4万円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成 (1,000円未満四捨五入)
看護師関連の職種の年収では、助産師が最も高く、平均584万2,000円となっています。また、准看護師の平均年収は看護師よりも大きく下がります。資格の種類により年収に大きく差が出ていることがわかります。
正看護師と准看護師の給与比較
正看護師と准看護師は、院内での役職やリーダー業務の有無、教育担当になれるかどうかなど、職場により権限の違いが多少ありますが、日々の仕事内容はほとんど同じです。しかし、年収には大きな差が現れています。
平均月収 | 平均ボーナス額 | |
正看護師 | 35.2万円 | 86.2万円 |
准看護師 | 29.6万円 | 62.7万円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成 (1,000円未満四捨五入)
上記を見ると、毎月5万円ほど、年間のボーナス額では24万円ほどの違いがあります。現在准看護師として病院で働いている人が収入アップを望むのであれば、まずは正看護師の資格取得を目指すとよいでしょう。
准看護師から正看護師を目指す方法は、最終学歴や、准看護師としての実務経験、経済事情により最適なルートが変わってきます。自身の状況に合わせて検討しましょう。
看護師の年収は他の業種と比べて高い?
「看護師は他の業種より給料が高い」と言われることが多いですが、本当なのか、疑問に思う人もいるでしょう。ここからは、看護師と他の職種の平均年収を比較します。
まず、国税庁が発表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、看護師を含む全職種の給与所得者数は、5,078万人、その平均年収は458万円となっています。これらと比較すると、看護師の平均年収「508万円」は全職種の平均年収より約50万円高いことになります。
男女別に見ると全職種の平均年収は男性563万円、女性は314万円です。女性全体の職種の中では、看護師は年収が高い仕事であることがわかります。
年代ごとの平均年収と比較
年代ごとの平均年収と、看護師の平均年収を比較してみましょう。
年齢 | 看護師 | 平均 |
20~24歳 | 400.3万円 | 324.8万円 |
25~29歳 | 477万円 | 398.4万円 |
30~34歳 | 478.9万円 | 449.2万円 |
35~39歳 | 505.8万円 | 494.8万円 |
40~44歳 | 539.7万円 | 527.1万円 |
45~49歳 | 565.4万円 | 547.6万円 |
50~54歳 | 566.4万円 | 560万円 |
55~59歳 | 578.5万円 | 553.4万円 |
60~64歳 | 483.1万円 | 453.5万円 |
65~69歳 | 393.9万円 | 358.8万円 |
70歳~ | 395万5,000円 | 314.4万円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成 (1,000円未満四捨五入)
まずは、社会人になったばかりの頃、「20〜24歳」の平均年収を見てみましょう。全職種平均が324.8万円であるのに対して、看護師は400.3万円です。新人看護師の年収は、一般的な新卒社会人の給与に比べて明らかに高いことがわかります。
その後年収はゆるやかに伸び、30代後半で全職種の平均年収と逆転します。つまり、就職したての頃は夜勤手当などがプラスされる分、月収が他の職種より高くなるものの、30代以降の収入を比較すると、看護師の年収は特別に高いわけではないのです。
なお、女性全体の平均年収と比較すると、看護師の年収はかなり高いことがわかります。
職種ごとの年収ランキング
以下の表は、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに各職種の年収をランキングにしたものです。
順位 | 職種 | 男女平均(万円) | 男(万円) | 女(万円) |
1 | 医師 | 1335 | 1521.6 | 1148.4 |
2 | 大学教授(高専含む) | 1061 | 1085.6 | 1036.4 |
3 | その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 888.7 | 1048.9 | 728.4 |
4 | 歯科医師 | 847.5 | 1017.7 | 677.2 |
5 | 大学准教授(高専含む) | 845.7 | 881.1 | 810.3 |
6 | 管理的職業従事者 | 834.4 | 896.6 | 772.1 |
7 | 公認会計士,税理士 | 696.6 | 781.8 | 611.3 |
8 | 研究者 | 687.5 | 785.6 | 589.3 |
9 | 高等学校教員 | 680.4 | 728.4 | 632.4 |
10 | 大学講師・助教(高専含む) | 675.4 | 722 | 628.7 |
11 | 小・中学校教員 | 654.6 | 695.8 | 613.4 |
12 | 獣医師 | 651 | 762.9 | 539 |
13 | 輸送用機器技術者 | 635.7 | 727.2 | 544.2 |
14 | システムコンサルタント・設計者 | 633.5 | 706.2 | 560.8 |
15 | 企画事務員 | 631.5 | 728.5 | 534.5 |
16 | 電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く) | 623.9 | 705 | 542.8 |
17 | 金融営業職業従事者 | 612.7 | 711.3 | 514.1 |
18 | 薬剤師 | 582.7 | 622.6 | 542.8 |
19 | 機械器具・通信・システム営業職業従事者(自動車を除く) | 577.2 | 634 | 520.4 |
20 | 建築技術者 | 571.6 | 655.2 | 488.1 |
21 | 化学技術者 | 569.9 | 634.7 | 505.2 |
22 | 助産師 | 567 | ー | 567 |
23 | 著述家,記者,編集者 | 566.6 | 663 | 470.2 |
24 | 不詳 | 561.5 | 698.8 | 424.1 |
25 | 保険営業職業従事者 | 560.8 | 719.9 | 401.8 |
26 | 音楽家,舞台芸術家 | 560 | 634.4 | 485.6 |
27 | 土木技術者 | 553.3 | 614.1 | 492.5 |
28 | 機械技術者 | 549.6 | 628 | 471.2 |
29 | その他の営業職業従事者 | 536.9 | 600.2 | 473.7 |
30 | 販売類似職業従事者 | 533.1 | 609.5 | 456.6 |
31 | 他に分類されない専門的職業従事者 | 528.9 | 605 | 452.9 |
32 | 総合事務員 | 527.6 | 637.9 | 417.4 |
33 | ソフトウェア作成者 | 521.2 | 584.6 | 457.7 |
34 | デザイナー | 518.3 | 593.1 | 443.5 |
35 | 診療放射線技師 | 517 | 557.1 | 476.8 |
36 | その他の情報処理・通信技術者 | 516.6 | 582.5 | 450.7 |
37 | 臨床検査技師 | 516.3 | 553.4 | 479.3 |
38 | 他に分類されない技術者 | 516.1 | 578.2 | 454 |
39 | 看護師 | 515.9 | 525.7 | 506.1 |
40 | その他の一般事務従事者 | 515 | 631 | 399.1 |
41 | 庶務・人事事務員 | 514.3 | 596 | 432.6 |
42 | 営業・販売事務従事者 | 510.4 | 600.8 | 420 |
43 | 会計事務従事者 | 509.5 | 587.5 | 431.5 |
44 | 生産関連事務従事者 | 482.5 | 567.9 | 397 |
45 | その他の教員 | 478.1 | 496.2 | 460 |
46 | その他の商品販売従事者 | 477.5 | 545.5 | 409.5 |
47 | 自動車営業職業従事者 | 472 | 548.2 | 395.9 |
48 | 製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者 | 471.9 | 569 | 374.8 |
49 | 営業用大型貨物自動車運転者 | 457.7 | 486.7 | 428.8 |
50 | 歯科衛生士 | 399.1 | 393.8 | 404.4 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成 (1,000円未満四捨五入)
数ある職種のなかで、助産師は22位、看護師は39位にランクインしています。看護師は医療関連資格でみれば、医師・薬剤師・診療放射線技師・臨床検査技師の次に収入の高い職種であるといえます。
医療・福祉業界での年収ランキング
医療・福祉業界での年収についても見ていきましょう。
次の表は、医療・福祉業界での各職種の月給、ボーナス、年収をランキング形式にしたものです。
順位 | 職種 | 月給 | ボーナス | 年収 |
1 | 医師 | 約110万 | 約114.6万円 | 約1,535万円 |
2 | 歯科医師 | 約63万円 | 約63万円 | 約848万円 |
3 | 薬剤師 | 約41万円 | 約86万円 | 約582万円 |
4 | 助産師 | 約40万円 | 約106万円 | 約567万円 |
5 | 臨床検査技師 | 約35万円 | 約92万円 | 約516万円 |
6 | 看護師 | 約35万円 | 約88万円 | 約508万円 |
7 | 保健師 | 約33万円 | 約81万円 | 約477万円 |
8 | その他の保健医療従事者 | 約31万円 | 約68万円 | 約440万円 |
9 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士 | 約30万円 | 約70万円 | 約430万円 |
10 | 准看護師 | 約30万円 | 約63万円 | 約423万円 |
11 | 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 約28万円 | 約64万円 | 約400万円 |
12 | 歯科技工士 | 約33万円 | 約35万円 | 約431万円 |
13 | 栄養士 | 約26万円 | 約62万円 | 約374万円 |
14 | 介護職員(医療・福祉施設等) | 約26万円 | 約54万円 | 約366万円 |
15 | 訪問介護従事者 | 約26万円 | 約40万円 | 約352万円 |
16 | 歯科衛生士 | 約28万円 | 約43万円 | 約379万円 |
17 | 看護助手 | 約22万円 | 約46万円 | 約310万円 |
18 | その他の保健医療サービス職業従事者 | 約23万円 | 約33万円 | 約309万円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成(1万円以下は四捨五入)
この表で見ると、看護師の年収は6位です。他の医療福祉系職種と比較すると高水準であることがわかります。
看護師が高収入を得られる職場の5つの特徴
ここまで見てきた内容から、看護師は他の業種と比較すると年収は高めである一方、昇給は他業種より少ないことがわかりました。つまり多くの職場では、看護師は管理職に昇進しない限り、長く勤めていても年収の大幅な増加は見込めないといえます。
ここからは、看護師がより高い収入を目指せる職場の特徴を紹介します。今後の転職やキャリアアップの参考にしてみてください。
看護経験を給与に加算してくれる
看護師の収入は、経験を積んでも上がりにくいのが現状です。ただし、給料に「経験加算」制度を導入している病院へ転職すれば収入アップを目指せます。
入職したばかりの1年目の看護師と、10年以上経験を積んだ看護師では、スキルや知識、こなせる仕事の内容にも差が出てきます。経験加算制度は経験を積んだ看護師を給与面で優遇する制度で、多くの職場で導入されています。転職先を探す際に、「経験加算」手当の支給があるかどうか、チェックしてみましょう。
夜勤手当が高い
看護師の給料のなかでも、夜勤手当は収入全体の底上げをするものです。そのため、夜勤手当が高く設定されている職場を選べば、年収は上がります。
夜勤手当額の平均は、以下のとおりです。
勤務形態 | 2交代 | 3交代 | |
準夜勤 | 深夜勤 | ||
平均手当額 | 11,368円 | 4,234円 | 5,199円 |
出典:日本看護協会「2023 年 病院看護実態調査 報告書」
この平均額を参考に、勤務先の夜勤手当が高いのか低いのか、判断してみてもよいでしょう。また、単純に夜勤の回数を増やすことで、給与を上げることもできます。夜勤のみで働く「夜勤専従」の正社員を採用している病院もあります。ただし昼夜逆転し、かつ長時間の勤務となる夜勤では体調を崩しやすくなるため、健康と収入とのバランスを考えながら判断することが大切です。
規模の大きい病院
規模の大きい病院を選べば、収入が増えやすくなります。大学病院や総合病院など、規模の大きい病院の方が個人経営のクリニック(診療所)に比べ年収が高くなる傾向があるためです。
大規模病院は、各種手当の金額が高く設定されていたり、昇給制度がしっかりと整っていたりと、頑張り次第で収入アップが見込める体制が整っていることが多いのが特徴です。高収入を目指したいなら、規模の大きな病院への転職も一つの方法だといえるでしょう。
ただし、規模が大きくなるほど研修や勉強会への参加、委員会活動などが多く、忙しくなる傾向にあることは把握しておきましょう。
高度な医療技術が必要な現場
高度な医療技術を求められる現場は、収入が高い傾向にあります。たとえば救命救急センターや集中治療室など、他の部署に比べて集中力や体力、判断力などを必要とされる部署で勤務すると、特殊業務手当が支給されます。手当が付くことにより、年収アップが見込めるでしょう。
また、これらの特殊な現場のある病院は規模が大きく、知識や技術の習得に見合った収入が得られる環境が整っている傾向にあります。スキルを磨きつつ収入を上げることを目指したい場合には、やはり規模の大きな病院が適しています。
美容クリニック
美容クリニックに転職することでも高収入が見込めます。
保険適用外の診療を行う美容クリニックは基本給が高いだけでなく、一人ひとりの業務実績によりインセンティブを支給するところもあります。医師の指示のもと看護師が施術を行うことも多く、専門的な知識やスキルが求められます。美容に興味がある人や、病院以外で年収アップを目指したい人には、美容クリニックへの転職もおすすめです。
ここまで看護師が収入をアップさせる方法を解説してきました。看護師の初任給や金額アップの方法をさらに知りたい人は、こちらの記事も参照してください。
看護師の生涯年収
ここからは、看護師として働き続けた場合の生涯年収について解説します。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、新卒から定年を迎える前の59歳までの看護師の生涯年収を算出しました。
性別 | 生涯年収 |
男性 | 約1億9,000万円 |
女性 | 約1億8,500万円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに作成(100万円以下は四捨五入)
日本全体の生涯年収は2億2000万円前後とされています。全職種の生涯年収と比較すると、看護師の年収はそこまで高くないということがわかります。
しかし、医療福祉業界は常に人材不足に悩んでいます。看護師資格を持っていることで就職に困ることが少なく、転職もしやすいため、自分に合った職場を見つけやすいというメリットがあります。一般企業のような大幅な昇給は見込めないものの、安定的に高水準の収入を得られる職種であるといえるでしょう。
看護師が国家資格であることのメリット
看護師の資格は、国家試験を受験し、合格することで取得できる国家資格です。看護師資格取得には、看護実習に取り組んだり試験勉強をしたりと、大きな努力が必要です。しかし、一度取得すれば、その後は全国の職場で通用するなどメリットの多い資格でもあります。
ここからは、看護資格を取得するメリットについて解説します。
収入が安定する
看護師の資格を持っていると、収入が安定するというメリットがあります。
看護師の需要は大きく、どの職場にいても安定的に収入が得られることが特徴のひとつです。とくに女性は男性に比べ、妊娠や子育てなど、ライフステージの変化により働き方を調整しなければならない期間が多いものです。一般企業の場合、子育てがひと段落したのちに復職をしても、以前と同様の水準で収入を得ながら働くことは難しくなる場合が多いでしょう。しかし、看護師の時給は高く設定されているため、復職後も安定した収入を得られる可能性が高いのです。
また、看護師資格を持っていれば全国各地の病院やクリニックに勤務できるため、転勤で遠方に引っ越したとしても再就職しやすい傾向にあります。働きたいという気持ちがあれば、好きな場所で、好きなタイミングで働けるということは、看護資格を持つ大きなメリットといえるでしょう。
働き方が多様にある
看護師が活躍できる職場は、病院やクリニックだけではありません。保育園・幼稚園など子どもと関わる施設や、一般企業の健康管理室、テーマパークの救護室など、その資格をいかして働ける職場は多岐にわたります。
自身の働きやすさや、ライフステージの変化に合わせて自由に職場を選べることも、看護資格の強みであるといえます。
転職の際に抑えておきたいポイント
収入アップのために転職を検討している人は、選んだ職場が本当に自分に合っているかどうか、不安になることも多いでしょう。ここからは、転職先を選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。
基本給
まずは転職先の給与欄を見て、基本給は高いのか、低いのかを確認しましょう。
看護師の場合、給与に占める夜勤手当の割合が大きいため、基本給と諸手当を分けて判断することが大切です。残業代やボーナスは、基本給をもとに計算されます。そのため、基本給の水準により年収が大きく変わってくるのです。ただし、基本給が高ければそれでよいという事ではありません。仕事の内容や業務量と、収入のバランスで仕事の満足度は左右されます。口コミや病院の評価なども参考にしながら総合的に判断し、転職先を選ぶようにしましょう。
通勤がしやすいか
通勤のしやすさは転職において重視すべきポイントのひとつです。
自宅からの距離が近くても、電車やバスの乗り継ぎが多かったり、渋滞しやすい道を運転しなければいけなかったりと、通勤時に不便さを感じることもあります。とくに子どもの保育園送迎をしてから出勤する場合、園と職場の位置関係によっては想像以上に時間がかかってしまい、自分自身はもちろん、子どもにとっても負担になってしまいます。
通勤の時間帯や経路をしっかりとシミュレーションし、本当に通いやすい場所かどうか検討することが大切です。
職場の人間関係
求人情報には職場の人間関係については掲載されていないため、入職前に情報を得ることは容易ではありません。しかし、人間関係は仕事を続けるうえで非常に大切な要素であり、人間関係を理由に退職・転職する人も多いことも事実です。
転職先の人間関係を知りたい場合には、転職エージェントを活用するとよいでしょう。職場の内部事情に詳しいアドバイザーから志望先の職場のおもな退職理由や口コミなど気になる点を聞くことができます。
やりがい
看護師は、人々の健康や命に密接に関わるやりがいのある仕事だといえます。しかし、実際にやりがいを持って働けるかどうか、長く続けられるかどうかは職場によるところも大きいでしょう。
どのような職場環境が合っているのかわからない人は、自分自身の目指す看護観や興味の向く分野、仕事に求めるものなどを改めて分析してみることをおすすめします。そのうえで、面接や職場訪問にのぞみ、スタッフの様子や職場の雰囲気を観察すれば、自身がイメージする理想の環境に近いかどうか、判断しやすいでしょう。
休みの取りやすさ
看護師の仕事は基本的にシフト制で、多くの場合、4週間に8日の休みが設定されています。それとは別に夏季休暇や年末年始休暇など、季節休暇が設けられていることが一般的です。年間休日が120日を超えるところも多く、比較的休みが多い仕事であるといえます。
しかし、職場を選ぶ際には公休数だけでなく、希望休がどのくらい取れるのか、有給休暇を使えるかなども重要なポイントとなります。とくに子育て中は子どもの突然の病気で急遽休まなければならない場面も頻繁にあります。希望休や有給休暇の取りやすさは、仕事の続けやすさにつながります。
ワークライフバランスの保ちやすさ
ワークライフバランスの保ちやすい職場かどうかも重要なポイントのひとつです。
ワークライフバランスとは、仕事とプライベートのどちらも充実させて、相乗効果を生み出そうという考え方のことです。ワークライフバランスが保てると、より充実した毎日が送れます。仕事の充実度には、労働環境や労働時間・休暇のとりやすさ・ストレスの程度など、さまざまな要素が関係してきます。
近年では、ワークライフバランスを実現するための施策を行う病院やクリニックも増えてきています。さまざまな観点から自分自身の働きやすい職場を探してみましょう。
まとめ
この記事では、看護師の平均年収について、他職種との比較も交え、解説してきました。また年収を上げる方法も紹介しています。
看護師にはさまざまな働き方があり、職場の規模や勤務形態によって給料には大きな差が出てきます。一見手取りの収入が多かったとしても、夜勤手当の占める割合が大きかったり、昇給が見込めなかったりと、一概に高い・安いと評価することが難しい場合もあるのです。
給料が業務内容や業務量に見合わないと感じたら、転職を考えるのもひとつの選択肢のひとつです。ぜひ一度、自分のキャリアや仕事をするうえでの価値観について整理して、納得して働き続けられる理想の職場を探してみてください。
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